なんだかいいもの読んだかも? 阿弥陀しずく『からっぽダンス』感想
こんばんはー。最近また寒くなってきて、治りかけの風邪がぶり返しそうで怖いなあと思っています。
今夜はフィールヤングに連載&単行本は2巻まで発売中、阿弥陀しずくさんの『からっぽダンス』をご紹介。作者さんの前作のテンポのよさが好きだったこと、わたし自身がある男性アイドルのファンだということもあり、大変面白く読ませていただきました!
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ストーリー
惚れる→追いかけ回す→フラれるの3連コンボを繰り返すストーカー警官・久我が出会ったのは、片想いに破れたばかりの美人OL・月島さん。何とかデートにこぎつけたはいいものの、行き先は男性アイドルのコンサートで…!?
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手錠を回してかっこつけている警官、久我さんが本作品の主人公。「ストーカー警官」と帯に書かれてあるだけあって、ラーメン屋さんで一目惚れしたOL女性の月島さんを、ストーカーのように追い回してしまいます。(警官なのに…)
ヒロインはドルオタ!?
主人公は相手を好きになったら一直線のストーカー警官。それだけではなく、本作品のヒロインもまら一筋縄ではいかないキャラクターなんです。
そう、彼女はとあるアイドルグループの一人、美しさでヒロインを食う「尚也」に夢中!
久我さんが好きになった美人OL月島さんは実は10年来のドルオタだった!?というはちゃめちゃ展開に発展していくことになります。
作品の見どころ
本作品を読んで、特に印象に残ったのは、久我さんと月島さんの関係性です。久我さんは月島さんの領域に踏み込むことはあっても、傷つけたり壊したりなんなりということがないのです。
アニメ、マンガ、ゲーム、アイドル、なんでもいいです、何かにはまっている人たちのことを「オタク」と呼ぶことがありますが、かつて一斉を風靡した「電車男」のように、「オタク」趣味を捨てなければ女性とはお付き合いできない、という価値観は、既に風化しつつあるものなのかもしれないなあ、と本作品を読んで思いました。
大好きな月島さんのことをもっと知りたくて、近づきたくて、彼女の大好きなものを理解しようと努める。アイドルのライブにも行くし、ファンクラブまで入っちゃう。尚也に夢中な月島さんを見て嫉妬しちゃうこともあるけれど、でも、彼女の好きなものを、大事なものを、決して手放せなんて言わない。
干渉しないどころか、一緒になって楽しもうとするという久我さんの態度は、今の社会だと少し珍しいのかもしれないけれど、もしそんな風に、好きなものを好きな人と一緒に共有することができるのであれば、それはきっと幸せなことなんだろうなと。二人の関係性がかわいくて、微笑ましくて、少しうらやましくもありました。
最後に
『からっぽダンス』、心あたたまるストーリーで、今後が楽しみな作品です。
・アイドルが好きな方(熱中している趣味がある方)
・テンポのいいギャグが好きな方
・対等に近い関係性を求めている方
はなにか感じるところがあるんじゃないかなあと思います。
阿弥陀しずくさんの前作、『こんなはずでは』という心あたたまるほのぼのBL作品も非常におすすめですので、興味がおありな方はぜひぜひ、合わせてお読みになってはいかがでしょうか。それでは、いずれまた。