日々の泡

読んだマンガの感想をひたすら綴るブログ。

「きみが心に棲みついた 1」感想

(これから忘備録的に、少しずつ読んだマンガの感想も書いていけたらなあと考えてます。わかりやすく面白くなるようがんばります!)

 

今夜取り上げるのは、天堂きりん「きみが心に棲みついた1」です。

 

雑誌「Flau」のマンガ特集で目にしたことがきっかけで手に取りました。そんな自分を褒めてあげたいと思いました。この作品、半端なく面白いです。

 

主人公は小川今日子、通称「きょどこ」。いつもワタワタしていて、ネガティブで、挙動不審な彼女には、恋愛に対する大きなトラウマがあって、なかなか新しい一歩が踏み出せません。きょどこの元彼、「星野さん」という黒髪爽やかイケメンの元彼がこれはもう、暴言は吐くは髪の毛にハサミをつきたてるは、きょどこの心を容赦なく傷つける酷い奴なのです。

 

きょどこは友人が開いてくれた合コンで、冷たく見えるけれど仕事に情熱的な「吉崎さん」という男性に出会います。ツンデレ要素のありそうな星野さんとの出会いによって、きょどこはトラウマ、つまり星野さんの呪縛から解き放たれる機会を手に入れるわけですが、まあそう物事はうまくいきませんよね。星野さん、なんと、きょどこの働いている下着メーカーに入社してきてしまうのです。当然、きょどこは星野さんが何を考えているのかわからなくて、動揺しまくっています。

 

まず作品を読んで最初に感じたのは、とにかくバランスがいいなあということです。テーマの割には、かわいい絵柄もあいまって、読者に重みを感じさせません。痛みがないという訳ではなくて、きょどこがつらい目に合っている切ない箇所では自然と胸が締め付けられます。ただ、どこか軽くて明るい雰囲気が作品に漂っているので、テンポよく読み進めることができました。

 

それからこの作品、主人公の驚きや悲しみ、切なさなどの感情が、まるでリアルタイムに体感しているかのように、はっきりと伝わってくるなあと思いました。

例えば、涙が落ちるところまでの「経過」の表現なんかを見てみると、(涙の描きかたも好みでした!ぼろっと雫がこぼれ落ちる感じが切ない。)作者さんは主人公の顔の大きさ、位置、角度などをよく計算して描かれているのではないかなあと思いました。

 

それにしてもきょどこ、かわいいですね。頼りなくてふらふらしてるけど、仕事に対して真剣で自分なりに頑張ろうとしてる、こんな子、そばにいたらほっとけないでしょう。きょどこがこれからどんな風に成長していくのか、また、吉崎さんとの(星野さんとの…)関係はどうなっていくのか、楽しみに読み進めていきたいと思います。